「気づき」
普段何気ない呼吸や動作を無意識でしていることが多くあるはず。
無意識とはそれらの動作を忘れていることでもあります。
レッスン前には必ず行う呼吸、これは自分の内側へ意識を向ける為です。今日の調子であったり、考え事であったり、その瞬間瞬間で変わる内面を観察します。それには呼吸を通じて落ち着いていることが大切。
たとえば、緊張した時、呼吸が浅くなり、体のどこかしらが震えます。そこで何とか緊張をどこかへ追いやろうとしても、忘れようとしても、中々そうはいきません。また何かに集中しようとしても、それは緊張を忘れようとしているだけ。緊張は自分の内側から生まれたもの、それに対して反発しようとしても何も変わりません。むしろ反抗しようとすれば、それがより大きな障壁にもなり、トラウマになります。
自分の内面から湧き上がる緊張や不安、まずはそれに気づくことが大切。あっ、今自分は緊張しているんだなと気づき感じる。そしてその緊張や不安を無視したり戦うのではなく、深い呼吸をしながら感じる。自分の内側で起きていることを気づくことで、自然と落ち着きが生まれてきます。
その落ち着きは、クライミング時の動きにも影響するし、日常生活へも変化をもたらします。何が正解で失敗もありません。自分の内側で起きることがすべて。
レッスンの2時間でも、出来る限る自分の呼吸を感じ、内側へ意識を向けてほしいです。
今日は、まず呼吸を意識してのナガモノ(10C)を3本し、ダイナミックな動きの練習をしました。そこで内側への意識を高め、リードクライミングへ。
ショウゴ 「10C→10B/10C」
1本目 前回までは11をチャレンジしていましたが、落ち着きの中、意識的に登る練習にシフト。易しかろうが、難しかろうが、意識的に呼吸したり、足元を確認したりすることは変わりません。自分の動きや呼吸に目を向け、内側で起こることにも気づくこと。
2本目 同じ10Cを登り、さらに足元への意識を高め、大きく動く練習。すると動きの変化と内面の落ち着きがみられ、非常に良かったです。登りにも自然と安定感が増し、大きく動けていました。
サワ 「温存 12C」
1本目 久しぶりのトライでしたが、動けていました。ルーフを抜けるところで、キャンパで行こうとし、落ちてしまいました。ムーブを再確認し、その後の動きも改めて練習。2本目に向けて、意識することを伝え、サワもそこに気づきがあったようです。
2本目 見事完登。流れのままに登り、サワもビックリしていました。全てがかみ合うと、自分でも不思議なくらい落ち着きがあり、動きにも余裕が生まれます。非常に落ち着きのある登りでよかったです。

イクミ 「10C→10B/10C」
1本目 前回は11B/11Aをチャレンジしましたが、まずはベースをしっかり固める練習へシフト。落ち着きの中、クリップや自分の登りや呼吸に意識をもっていく。クリップを安定させるためには、下半身でバランスをとる意識が大切。ナガモノでの疲れがあったようで、動きの硬さが見えましたが、クリップも安定していました。
2本目 足を丁寧に置く、さらには大きく余裕をもって動くことを伝え、登ってもらいました。1本目よりもさらに動きが良くなり、きれいな登りでした。出来る出来ないは別として、なにかに意識をもって取り組むことは徐々に形に表れます。また内側の変化も生まれます。引き続き、練習していこうね。
ユウ 「月の裏側 11D」
1本目 下部のムーブは流れ良く越え、中間部の遠い一手まで。何度か練習し、ホールドに届きそうなのですが、あともう一歩が足りず。下半身で体全身を振って、動き出すアドバイスをすると、距離がさらに伸び、そのムーブ成功。ゴール一手まで初めて到達。動きの成長が見られた登りでした。
2本目 中間部のムーブを一回で越えることができませんでしたが、3回目で攻略。残すはゴール取りのみ。ゴールの一手も下半身から動き意識と体の振りをつかっていこう。ここ最近、登りの変化が見られ、ユウも内面的変化も感じます。チャレンジする楽しさを感じてね。
ヒロタカ 「卒園 11B/天狗舞 11C」
1本目 アップを兼ねてのトライでしたが、非常に安定した登りで落ち着きもありました。下半身への意識が伝わり、前回登った時よりも断然に余裕を感じました。自分の身長に合った登りになってきて、登りが大きくなったね。
2本目 課題ルートへのチャレンジ。ラスト核心手前まで。1本目に続き、落ち着きがあり、動きもよかったです。登れはしなかったですが、内容ある登りでした。焦らず、自分のできることを続けていこう。